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ー新品よりもずっといいー パタゴニアのリペアトラック「つぎはぎ」から私たちが学ぶこととは?

2022.07.05ノウハウ

パタゴニアのWorn Wear College Tourという活動はご存知ですか?全国の大学をパタゴニアのリペアトラック「つぎはぎ」が回り、ウェアの修理や、学生と共同でイベントを行うという活動です。今回はそんなCollege Tourになんとhinata編集部が潜入取材を敢行し、ウェアの修繕を通してユーザーとしての責任を学んできました。

パタゴニア「Worn Wear College Tour」に参加してきました!

Worn Wear College Tourとは?

Worn Wear College Tourとは、ウェアの修理をしたりセルフリペアの方法を教えたりしながらパタゴニアのリペアトラック「つぎはぎ」が全国11大学を回るツアー。修理やイベント等を通して、未来を担う学生とともに「責任のある消費」について考えるツアーです。 今回はそんなWorn Wear College Tourに潜入取材を敢行しました!

パタゴニアのリペア技術に感嘆!

編集部ごーとくがお気に入りのウェアを修理

潜入取材ということで、今回は編集部ごーとくがお気に入りのウェアを持参して実際に修理してもらいました♪修理してもらうのは、アウトドアから日常まで使い尽くした結果、リュックによって裏起毛が見えるまでボロボロに擦れてしまったパンツ。 お気に入りのパンツですが、編集部内で「おしりの部分が汚れている」と勘違いされ、ショックでしばらく使うことができずにいました。

擦り切れてしまったウェアをリペアする方法

最初の工程は、生地と合う色の糸を見つけること。糸は、数を把握できないほどたくさんの色が用意されており、生地の種類や色に合わせてぴったりのものを、時間をかけて選んでいました。
つづいて裏に補強する当て布を準備しています。擦れてしまったウェアのリペアには当て布が欠かせません。
最後に細かくミシンを入れていきます。これにより穴が塞がるだけでなく、ウェアの強度も増し、より長く愛用することができるようになります。
ご覧ください。驚くべきことに、ボロボロに擦れてしまった部分がリペアされただけでなく、修繕の跡が良い味を出しているおしゃれなパンツに生まれ変わってしまいました。何だかウェアの価値が高くなったような気がして嬉しく、前より一層愛着が湧いてきました。 ウェアのリペアの仕方について知ることができたWorn Wear College Tour。しかしパタゴニアはなぜこのような活動を行っているのでしょうか。取材当日、パタゴニア日本支社でWorn Wearツアーを担当するロジャースさんにお話を伺うことができました。

「新品よりもずっといい」パタゴニアの活動から学ぶこと

「私たちは、故郷である地球を救うためにビジネスを営む。」ミッションの実践

━━━今回の活動はどういった目的で行っているのですか? ロジャース:目的は、Worn Wearプロジェクトを通して「新品よりもずっといい」というメッセージを伝えることにあります。学生のみなさんが、少しでも長く衣類を着ていただけるように、修理することを薦めています。使い捨てではなく、愛着やストーリーを持ち修繕を重ねることで良い物を長く使ってほしいということ。その背景には「全ての人が環境に対する気づきを持って行動していくことが急務である」という思いがあります。
ロジャース:加えて今回のCollege Tourでは、「環境に対する配慮が当たり前になってくるこれからの時代において、環境課題の解決方法の一つとして何ができるのかを一緒に考えていきたい。学生が中心となり企画した環境をテーマとしたブース 、パタゴニアのリペアスタッフによる修理 、自分でウェアを修理するセルフリペアのコーナー、食の分野で環境への解決策を探る「パタゴニア プロビジョンズ」の試食など、実際に楽しみながら触れることができるイベントとなっています。

パタゴニアがメーカーとして、長く愛用することを推進する理由

━━━アウトドアブランドのメーカーとして、リペアやリユースをあえて促進するというのは珍しくありませんか? ロジャース:パタゴニアのミッションは「私たちは、故郷である地球を救うためにビジネスを営む」。ゴミが増えれば増えるほど環境に負荷がかかり、それが気候危機に波及している一つの原因なのではないかと考えられます。さらにパタゴニアとして、大量消費・大量生産という経済の枠組みから抜け出したいという考えもあります。

大量生産・大量消費の経済から抜け出す

ロジャース:今、経済を回していく一つの手法として「壊れるようにつくる」というものがありますよね。壊れるように作って、買い替えで利益を出しているという側面があると思います。 ━━━確かに。「何年か使っていると、壊れて使えなくなる」が当たり前になってしまっていますよね。 ロジャース:衣類に関しても、本当に丈夫なものを作れば10年、それ以上使えるようなものができるはずです。使い捨てのものではなく、長く使えるようなものを選択すること。そしてその後は、さらに長く使えるように修繕していく、修繕も難しくなったならば、リユースやリサイクルに回していくようなプロセスが大切だと考えています。

パタゴニアから若者へのメッセージ

出典:Milkos / ゲッティイメージズ

ロジャース:一部の学生たちと話していて聞いたことは、彼らがその年に買った服は次の年にはもう着ない、学生時代に使っているテーブルや家具は社会人になったら捨ててしまうといった残念な現状です。若い人たちは財布の中に今ある数千円で物を選び買ってしまう。そうなってしまうと周りがファストファッションで溢れてしまいます。このようなループから抜けだす方法を試案している学生の方もいました。 ━━━だからこそ、Worn Wear Tourを大学ですることに意味があるのですね。 ロジャース:はい。パタゴニアは、これからの未来を担う若者たちに直接語りかけていく機会として、College Tourを開催しました。パタゴニアを一つの環境課題解決のロールモデルとして、自分たちには何ができるか考えて欲しい、というのが私たちの思いです。さらに、学生たちが大学で学んでいることをベースに、共同で学生企画を行い、課題解決に向けての実践になればと思っています。

学生たちの最初の反応

ロジャース:実はリペアトラックでイベントを行うということに対して、学生側の反応は薄かったように感じました。「ウェアの修理はしたことがない」「本当に人が集まるのか」という声が大半でした。 ━━━学生たちのそんな声に反して、多くの人がリペアをしにきていますね。 ロジャース:そう、思ったよりも人が集まっているんです。ある大学では最大40人くらいの列ができてしまって、一部学生の修理を断らなくてはいけなくなってしまいました。しかし、修理してまた着用したいと言った学生さんは、セルフリペアブースでスタッフにサポートをもらい、自分で修理していました。

パタゴニアと学生の共同企画

学生企画はトークセッションや展示など。今回訪れた大学では「Choice!」というテーマで、行動を起こす前に世の中への影響を少し考えることで責任ある消費を促す展示、クイズなどが行われていました。学生たちが大学で学んでいるSGDsという視点をベースに、ファッションやこれからの買い物に対しての考え方について伝えてくれました。
ウェアでもアウトドアギアでも、長く使っていれば自分だけのストーリーが生まれます。そういったストーリーを大切にし愛着を持つことで、地球環境にも貢献できるはずです。 今回、Worn Wear College Tourに参加する中で、パタゴニアが実践する企業としての責任と、未来を担う学生たちの努力が随所に感じられました。

まとめ

いかがでしたか?パタゴニアのWorn Wear College Tourに参加し、リペアトラックでお気に入りのウェアを修繕してもらいました。そこから、愛着を持って「良いもの」を長く使うこと、そしてそのために修繕を行うことやリユース、リサイクルに回すプロセスの大切さを学ぶことができました。パタゴニアが企業としての責任を実践するように、私たちにもユーザーとしての責任を胸に、購入の際の選択をする必要があるのですね。

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